【Kotlin/Android】RxJavaの使い方と導入方法!Observableオブジェクト

この記事からわかること

  • Android Studio/KotlinRxJava使い方
  • ReactiveX特徴メリット
  • Observableオブジェクト生成方法
  • create/just/fromIterable/intervalメソッドの使い方

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RxJavaとは?

公式リファレンス:RxJava

そもそもRxJavaとはMicrosoftが2011年にリリースしたReactiveX(Reactive Extensions)と呼ばれるライブラリのJava版です。ReactiveXはもともと.NET Framework用に開発されたライブラリで、その後JavaだけでなくC++やSwift、JavaScriptなど数多くのプラットフォームにも提供されるようになりました。

おすすめ記事:RxSwiftとは?導入方法と使い方まとめ!ストリームを理解する

RxJava自体もKotlinでそのまま活用することができますがRxKotlinも一緒に導入することでより扱いやすく実装することができるようになります。

ReactiveXの概要

ReactiveXの公式サイトによる説明は以下のようになっています。

”ReactiveXは、監視可能なシーケンスを使用して、非同期およびイベントベースのプログラムを作成するためのライブラリです。
オブザーバーパターンを拡張してデータやイベントのシーケンスをサポートし、低レベルのスレッド化、同期化、スレッド セーフ、並行データ構造、および非I/O をブロックします。”

引用:公式リファレンス:ReactiveX

要約すると非同期処理やイベント処理、時間経過に関数処理を1つのシーケンス(順序)として操作、観測できる機能を提供するAPIということでしょうか。

またReactiveXは「リアクティブプログラミング」と呼ばれるプログラミング手法を取り入れていると言われています。リアクティブプログラミングの良い例がExcelで「値を入力すると自動で計算結果が変更される」のがポイントになるようです。

RxJavaの導入方法

RxJavaをAndroid Studioで使用するために「bundle.gradle(Module)」に以下の文を追加して「Sync Now」をクリックします。2024年現在、RxJavaは3.x系までリリースされているようです。


dependencies {
    // RxJava/RxJava/RxAndroid
    implementation 'io.reactivex.rxjava3:rxjava:3.0.0'
    implementation 'io.reactivex.rxjava3:rxandroid:3.0.0'
}

この際にRxAndroidも一緒に導入しておきます。これはRxJavaを使用する上でUIスレッドへのスケジューリングやAndroidコンポーネントとの統合を行うためのユーティリティが含まれているようです。

RxJavaを使用する上でのポイント

RxJavaだけでなくReactiveX系を使用する上では重要になってくるポイントがいくつかあります。

Stream

ReactiveXでは基本的にストリームという概念の元に成り立っており、時間の流れの中に「データの変更から完了またはエラーまで」を一連の順序(シーケンス)として保持しています。

RxSwiftとは?導入方法と使い方まとめ!ストリームを理解する

おすすめ記事:ストリーム(Stream)とシーケンス(Sequence)とは?

Observerパターン

RxJavaはデザインパターンの一種であるObserverパターンが採用されています。Observerパターンとは「状態変化などを観測し、通知する」を根本とした考え方のことです。

おすすめ記事:【GoF】Observerパターンとは?Publish-Subscribeパターンとの違い

Flowable

Flowableバックプレッシャー機能をサポートしたObservableオブジェクトの1種です。

Operators

RxJavaではさらにOperatorsという概念があります。これは生成されているObservableのイベントの編集や絞り込みを行った新しいObservableを生成する役割を持っています。それ以外にも複数のObservableを結合することも可能です。

おすすめ記事:【Kotlin/Android】RxJavaのandThenメソッドの使い方!順番に処理する方法

今回はObservableに焦点を当ててまとめていきます。

Observable

公式リファレンス:Observable

Observableとは日本語で「観測可能」を意味する英単語です。ReactiveXではストリームを観測、検知可能なクラスのことをObservableと呼び、変化やエラー、完了を検知すると通知してくれます。onNextイベントの発生のたびに複数回検知される可能性があり、onErrorまたはonCompletedストリームの中でどちらか1回しか観測されません。そしてそのどちらかを検知したタイミングまたは明示的に指定したタイミングで監視は終了します。

種類 概要
onNext イベントを検知
onError エラーの発生を検知
onCompleted 完了を検知

Observableクラスの使い方

RxJavaではObservableクラスとして用意されています。例えば以下は「10秒ごとにイベントを発火し任意のカウントダウンするプログラム」です。

class MainActivity : AppCompatActivity() {

    var disposable: Disposable? = null

    override fun onCreate(savedInstanceState: Bundle?) {
        super.onCreate(savedInstanceState)
        setContentView(R.layout.activity_main)
        disposable = Observable.interval(1, TimeUnit.SECONDS)
            .take(10) // カウントダウンの回数
            .map { count -> 10 - count } // カウントダウンの数値
            .subscribe(
                ::onNext,                   // データ受信時の処理
                Throwable::printStackTrace, // エラー時の処理
                { Log.i("RxJava-Test","Finish") } // 完了時の処理
            )
    }

    override fun onDestroy() {
        super.onDestroy()
        // プログラムが終了する前にObservableの観測を解除
        disposable?.dispose()
    }
    
    private fun onNext(count: Long) {
        Log.i("RxJava-Test","Countdown: $count")
    }
}

重要になってくるのが以下の部分です。

// Observableオブジェクトの生成
disposable = Observable.interval(1, TimeUnit.SECONDS)
        // Operatorを使用してデータを整形
        .take(10) 
        .map { count -> 10 - count }
        // Observableオブジェクトを観測して変化やエラー、完了で処理を分岐
        .subscribe(
            ::onNext,
            Throwable::printStackTrace,
            { Log.i("RxJava-Test","Finish") }
        )

ここで行なっているのは以下のとおりです。Observableオブジェクトを生成するだけではイベントは発火せず、subscribeすることでストリームが開始されます。

  1. Observableオブジェクトを生成
  2. Operatorを使用してデータを整形
  3. Observableオブジェクトを観測(subscribe)して変化やエラー、完了で処理を分岐

Disposableに格納する

Observableオブジェクトを生成して観測しストリームが開始されるとした場合はsubscribeメソッドの返り値としてDisposable型を受け取ります。Disposableオブジェクトは観測を停止させる手段を提供します。

観測を停止させたいタイミングや観測が不要になるタイミングでdisposeメソッドを呼び出すことで明示的に観測を解除することができます。

Observableオブジェクトの生成方法

Observableオブジェクトを生成する方法はいくつか存在します。

createメソッド

createメソッドはシンプルなObservableオブジェクトを生成できるメソッドです。create<String>のようにイベントで流したいデータ型を指定し、ラムダ式の中でemitterを使用して手動でイベントを発行することができます。onNextメソッドで流したいデータ型をonCompleteメソッドで完了を通知することができます。

val observable = Observable.create<String> { emitter ->
    emitter.onNext("Hello")
    emitter.onNext("World")
    var flag = true // 何らかの条件分岐
    if (flag) {
        emitter.onComplete()
    } else {
        emitter.onError(Exception("ERROR") )
    }
}

justメソッド

justメソッドは引数に渡したデータを発行するObservableオブジェクトを生成できるメソッドです。このメソッドは単純に値だけを流したい場合に使用する想定で、完了などを通知することはできません

val observable = Observable.just("Hello", "World")

fromIterableメソッド

fromIterableメソッドは引数に渡したIterableから値を発行するObservableオブジェクトを生成できるメソッドです。Iterable、つまりコレクションや配列などの複数の要素を持つデータ構造のデータをObservableにすることができます。

val list = listOf("Hello", "World")
val observable = Observable.fromIterable(list)

intervalメソッド

intervalメソッドは指定した間隔で連続的に値を発行するObservableオブジェクトを生成できるメソッドです。つ目の引数で時間間隔を指定1し、12つ目の引数でその単位を指定1しています。

val observable = Observable.interval(1, TimeUnit.SECONDS)

RxSwiftはこちら

まだまだ勉強中ですので間違っている点や至らぬ点がありましたら教えていただけると助かります。

ご覧いただきありがとうございました。

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ame

趣味:読書,プログラミング学習,サイト制作,ブログ

IT嫌いを克服するためにITパスを取得しようと勉強してからサイト制作が趣味に変わりました笑
今はCMSを使わずこのサイトを完全自作でサイト運営中〜

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